ケン・ソーン作品集 Vol.1
ケン・ソーン作品集 Vol.1
「女ガンマン皆殺しのメロディ」/「ノートルダムのせむし男」
音楽:ケン・ソーン/全28曲(15+13)プロモ盤
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「女ガンマン皆殺しのメロディ」Hannie Caulder
1971年/イギリス映画
監督:バート・ケネディ
出演:ラクェル・ウェルチ (ハニー・コールダー)
アーネスト・ボーグナイン(エメット)
ロバート・カルプ (プライス)
ジャック・イーラム (フランク)
ストローサー・マーティン(ルーファス)
クリストファー・リー (ベイリー)
ダイアナ・ドース
スティーヴン・ボイド
メインテーマ
悪党のクレメンツ三兄弟(ボーグナイン/イーラム/マーティン)は銀行強盗の帰り、逃走用の馬を調達するため町外れの牧場を襲撃、あるじを殺し、勢いで妻ハニー(ウェルチ)をレイプし、家を焼き払って去っていく。
復讐を誓ったハニーはたまたま立ち寄った賞金稼ぎのプライス(カルプ)に銃の手ほどきを受けるが、些細な問答で仲割れしている間プライスはフランク(イーラム)を見つけるものの油断をつかれエメット(ボーグナイン)のナイフに倒れる。
仲間を失ったハニーは単身クレメンツ兄弟を追い詰め一人ずつ倒して復讐を遂げる。
というお話しだが、監督が古き良き西部劇に凝り固まったバート・ケネディだけに生々しい残虐さとストレートなレイプ表現を避けた演出のため、復讐の怒りが伝わらないのが最大の欠点になった。
悪党三兄弟の間抜けさ加減も少なからずマイナスの要素になった感じがする。
それらをウェルチの裸にポンチョスタイルで補おうとしたようだが・・・
まあ、辛うじて印象的なのはプライスがハニーに拳銃さばきを手ほどきするシーンで「怒りの荒野」や「ネバダ・スミス」に迫るものがあって実に紳士的なおもむきもあるのはイギリス映画に籍を置いたせいか?
途中から登場する銃職人ベイリーを演じたクリストファー・リーもちょっと面白く、ここで顔を見せる牧師を演じたスティーヴン・ボイドもクライマックスでハニーに助っ人する曲者です。
ウエスタンとは思えないようなこんな美しい海辺のシーンもあったりする。
味のある役者が揃っているだけに惜しいが、マイケル・ウィナーやペキンパーがメガフォンを取ったらかなり気合の入った映画になっていたかもしれない。
ケン・ソーンのテーマ音楽は哀愁と荒野を駆ける爽快さにあふれたウエスタンらしい曲で好きなんですが。
劇場用予告編
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「ノートルダムのせむし男」The Hunchback of Notre-Dame
1983年/アメリカ映画
監督:マイケル・タックナー
原作:ヴィクトル・ユーゴー
出演:レスリー・アン・ダウン
アンソニー・ホプキンス
ジョン・ギールグッド
ロバート・パウエル
ナイジェル・ホーソン
ローランド・カルヴァー
こちらは有名なユーゴーの作品を映画化したものでアンソニー・クィンとジーナ・ロロブリジーダのキャスティング版があまりにもメジャーだったせいか日本未公開・・・
なので本編は見てませんが美しいテーマ曲がいいので紹介しておきます。
ちなみに監督は「爆走!」のマイケル・タックナー。
A Woman's Kindness
アクションテーマはちょっと「スーパーマン2 冒険編」的なフレーズをのぞかせつつ中世の風情を表現した王宮感覚や教会音楽をおり交ぜたソーンらしい豊富な音が楽しめて、本編が見たくなりました。
器用貧乏というか、あらゆるジャンルを無難にこなすソーンの才能はもっと評価されるべきだと思うのですがメジャー路線から外れて裏目に出てしまったようで本当に惜しい人です。
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