アナザー・プラネット
「アナザー・プラネット」 Another Earth
2011年/アメリカ映画
監督・脚本・撮影・編集:マイク・ケーヒル
音楽:フォール・オン・ユア・スウォード
主演
ブリット・マーリング (ローダ)
ウィリアム・メイポーザー (ジョン・バロウズ)
メイン・テーマ(音楽:フォール・オン・ユア・スウォード)
ローダ(ブリット・マーリング)は宇宙物理学を学び、将来エリート路線を約束された学生のはずだった。
ある日突然上空に地球そっくりの惑星が出現!
運転中そのニュースをカーラジオで聞いていたローダは思わず上空を見上げ、前方不注意で交通事故を起こしてしまう。
相手の車に乗っていた3人家族のうち母親と子供が死亡、父親は重傷の大事故だ。
その罪を償うため4年間刑務所に服したローダは
刑期を終えて出所
一転して清掃員の仕事をする日々
上空の惑星は『アース2』と名づけられ
注目されながらもその異様な風景はいつしか日常の一部となっていた。
ローダは事故現場にふらっと訪れるが
そこにオモチャをたむける人物を目撃
あの事故で生き残った父親だ。
ローダはネット検索でその人物が著名な音楽家ジョン・バロウズ(ウィリアム・メイポーザー)であったことを知る。
ネットに載っていた住所をこっそり訪ねたローダは
ジョンが妻と息子を失って荒んだ生活に落ちている姿を目撃し、
その帰り道
罪の意識にさいなまれて自殺をはかるが
命はとりとめる。
そんな中、ローダはインターネットで見つけた「アース2旅行」懸賞に応募してみた。
しばらくして、事故の謝罪だけでも・・・とローダは再びジョンの家を訪れるが言いそびれてしまい、
とっさに『お試しハウスクリーニングキャンペーン』を装う
清掃を終えて帰ろうとすると定期的な清掃を依頼されジョンの家に出入りするように。
次はちゃんと言おう・・・・と練習するが
言い出せる空気ではなかった。
それをよそに、しだいに打ち解けていくローダとジョン・・・
The House Theme(音楽:フォール・オン・ユア・スウォード)
一方、アース2へコンタクトするプロジェクトがテレビ公開され
向こうの惑星から返答が・・・
なんとその声の主はこちらの発信者と同一人物らしい
どうやら突然現れたこの惑星は地球のコピーらしいことが判明し
翌日から巷ではアース2を感慨深く見上げる人々もチラホラと
自分と同じ人物があの星にもう一人存在する・・・
いったい向こうの自分はどんな生活をしているんだろう?・・・
ジョンは再び音楽へ向き合う気持ちを取り戻してローダに自分の音楽を披露してみせるまで立ち直る。
ローダは罪の償い意識が強いこともあってかジョンとその夜、男女関係を結んでしまう
そんな日々が続くうち、
ローダの応募した懸賞が当たり、アース2へのチケットを入手!
一躍時の人となる。
ローダはついにジョンへ本当のことを伝えるがジョンは手のひらを返し怒りにかまけて彼女を追い出してしまう。
ローダはアース2へのチケットをジョンに譲って彼のもとを去った。
時は流れ、
ローダも殺伐とした自分の部屋に花を飾る余裕も
いよいよアース2への出発の日・・・
テレビで嬉しそうなジョンの姿を見たローダは『これでいいんだ』と割り切っていた。
・・・さらに4ヶ月後
空にアース2の姿はもう無い・・・
そして、
ローダはこの地球で思いがけない人物に出会う・・・
エンドタイトル(音楽:フォール・オン・ユア・スウォード)
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主演のブリット・マーリングは脚本にも参加しています。
SF? ファンタジー?
どのカテゴリーか迷ったが多分にドラマの要素が強く『アース2』はある象徴として存在するもの。
『もう一人の自分』の存在を考えたとき人は何を思うか・・・
人生は多くの分岐点で選択した事によって大きく変わっていくものだとしたら
違う人生を歩むもう一人の自分に対して今の自分に自信が持てるか・・・ということ。
ここでは紹介しなかった清掃員の同僚である老人とローダのエピソードも注目。
優しい気持ちにさせる映画で、結末はぜひ本編を見て確認してほしい。
きっとローダと自分を置き換えて見ている自分がいるはずです。
予告編
個人的見解だがラスト、私は地球とアース2は重なり合ったのだと思った。
アース2の出現によって違う人生を体験し、人として一回り強くなったローダとアース2にいた順風満帆のローダが重なり合う最後の瞬間なんだ と。
ちなみにビデオ邦題を「アナザー・プラネット」としたのは非常に良くない。
『もう一つの地球』が出現したことがカナメであり、他の惑星ではないわけで原題"Another Earth"とEARTHに特定したのは大きな意味があるのだ。
カタカナにすると『お尻』と誤解される・・・なんてゲスなかんぐりがあったなら改めるべきで「アナザー・アース/もうひとつの地球」とサブタイトルを入れれば済むことじゃないだろうか。(アが並ぶとゴロが悪いなんて法則も例外にすべき)
最近、いいかげんな邦題が目立つが、もっとしっかり作品の内容を反映した邦題を考えてもらいたいもんだ。
サンダンス映画祭 審査員特別賞受賞作
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