SF

2012年6月13日 (水)

ヘル

「ヘル」 Hell
2011年/ドイツ・スイス合作映画

Hell2011

製作総指揮:ローランド・エメリッヒ
監督:ティム・フェールバウム
音楽:ロレンツ・ダンゲル

出演
ハンナー・ヘルツシュプルング(マリー)
ラース・アイディンガー            (フィリップ)
スタイプ・エルツェッグ            (トム)
アンゲラ・ヴィンクラー            (老女)
リサ・ヴィカリ                         (レオニー)

「インディペンデンス・デイ」「デイ・アフター・トゥモロー」「2012」のローランド・エメリッヒ監督が自国ドイツで製作総指揮に当たった世紀末映画。

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2016年、太陽に異変が起こり、地球の日中は灼熱地獄に・・・

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わずかに生き残った人々には先の見えないサバイバルの日々が強いられる。

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マリー(ハンナー・ヘルツシュプルング)は恋人フィリップ(ラース・アイディンガー)

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マリーの妹レオニー(リサ・ヴィカリ)と住み良い場所を求めて旅を続けている。
年ごろのレオニーはマリーたちの馴れ合いをあてつけがましく思っている。

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ふと空に鳥を見つけたフィリップ・・・
近くに鳥が生息できる環境地域があるはずだ。

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荒廃したガソリンスタンドに立ち寄り、

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燃料や物資をあさるが、

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収穫は微々たるもの・・・

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そこで空腹のトム(スタイプ・エルツェッグ)と出会い、

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悪気はないと判断したフィリップは

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食糧を分け与え、

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トムも旅の仲間となった。

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途中、故意に置かれた障害物に阻まれ、

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転落したクルマを見つけて辺りを捜索しているすきに

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マリーらのクルマが乗っていたレオニー諸共何者かに奪われてしまった。

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マリーたちは線路脇でクルマを奪った輩を見つけて車を奪い返すがトムとはぐれ、フィリップは足を負傷してしまう。

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トンネルで動けなくなったフィリップを残し、拉致されたレオニーを探すマリーは

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教会で休息中 老女(アンゲラ・ヴィンクラー)と出会い、

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ある家屋へ連れていかれるが

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外を覗いているとトンネルに残ったフィリップが捕まっており、

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妹レオニーも・・・

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老女はマリーらを息子たちの伴侶に当てたい思惑があったのだ。

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マリーは従順なふりを装い、

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妹を先に逃がす。

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が、そこに暮らす家族は捕獲した人間を食糧にしていた。

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フィリップはマリーの目前で食糧として捌かれてしまった。

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ここにいれば食糧にされるか、仲間になるか・・・それしかない。

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マリーは決死の脱出をはかる。

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はぐれていたトムとも合流し、食糧として閉じ込められていた人々を解放するが、

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マリーたちは理想の地へたどりつけるか・・・

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生きることに必死で、法も秩序もない絶望的な世界・・・

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それを淡々と見せる。

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人間らしく生きる余裕もない環境では尚更なことで、それぞれのテリトリーの中で独自の秩序が出来上がるのもわかる。

老女もこんな環境でなければ良い母親だったに違いない。
教会に出向いたのもたぶん今の行いに対する負い目とその許しを請うためなのだ。

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ここでは極端に見えるかもしれないが、すでに人間社会は心に余裕のない世界にさしかかっているんじゃないか?・・・と言っているようにも思える。

予告編


大作づいてしまったエメリッヒだが、大スケールよりもこういう小作品の中で人間の本音の部分をつついてみたくなったのかもしれない。

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2012年4月 5日 (木)

遊星からの物体X ファーストコンタクト

「遊星からの物体X ファーストコンタクト」The Thing
2011年/アメリカ・カナダ合作映画

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監督:マティス・ヴァン・ヘイニンゲン・Jr
音楽:マルコ・ベルトラミ(物体Xのテーマ:エンニオ・モリコーネ)

出演
メアリー・エリザベス・ウィンステッド(ケイト・ロイド)
ジョエル・エドガートン        (カーター)
ウルリッヒ・トムセン          (サンダー・ハルヴォーソン博士)
エリック・クリスチャン・オルセン  (アダム・フィンチ)
ポール・ブラウンスタイン      (グリッグス)
トロン・エスペン・セイム       (エドバード・ウォルナー)
キム・バッブス             (ジュリエット)
ジョナサン・ロイド・ウォーカー   (コリン)

ジョン・カーペンター監督の1982年リメイク版をベースに、その前章に当たる南極ノルウェー基地での出来事を描く。

オープニング・タイトル(作曲:マルコ・ベルトラミ)
末尾にエンニオ・モリコーネの前作テーマをチラッと聴かせる。

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偶然のアクシデントで氷下のUFOを発見するところから始まります。

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古代生物学者ケイト(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)

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急遽南極のノルウェー基地へ呼ばれ、

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巨大なUFO発掘現場に案内されるが

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別の場所で氷に閉じ込められたエイリアンも見せられる。

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その夜、夜空の星を見上げて感慨にふけるケイト・・・

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翌日、氷を切り出し基地へエイリアンを搬送して調査開始。

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だが、世紀の大発見にうかれているすきに

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エイリアンが蘇生し、基地外へ逃げ出してしまう。

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隊員総出でエイリアンを探すが

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最初の犠牲者が出てしまい、

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やむなくエイリアンを焼き殺す。

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エイリアンの死体を解剖すると

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中から犠牲者の姿をしているが本人ではない固体を見つけ立ち会った隊員たちは唖然とする。

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その物体は細胞レベルで取り込んだ生物に擬態することが明らかになり、

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ケイトはある疑惑を抱く。

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散会し、犠牲者の血を浴びてショック状態の隊員を病院に搬送するためヘリで基地を離れようとする一部のメンバー・・・

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ふとケイトは床に抜け落ちたイミテーションの歯を見つけ、

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疑惑は確信となった。

『アレが隊員の誰かに擬態している!』

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ケイトは急いでヘリの発進を阻止しようとするが

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機内では物体Xが正体を現し、

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ヘリは遠方へ墜落してしまう。

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ケイトは残った隊員たちに事態の深刻さを説く。
あの物体は擬態時全ての細胞をリニューアルするため治療した歯もマッサラで健全なものになるのだ。
しかもその痕跡を片付けた者がまだこの基地内にいる。
ケイトは全員この基地に留まり、詳しく調査する必要性を提言するがチームのリーダーはまともにとりあわず一蹴

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ミーティング後、隊員のジュリエット(キム・バッブス)はケイトに痕跡をかたずけていた者を目撃したとこっそり話し

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ケイトをある部屋に連れて行くが

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そのジュリエットから物体Xが正体を現し・・・

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ケイトに襲いかかる!

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ケイトは辛うじて回避するが

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他の隊員が犠牲に・・・

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騒然とする中、着実に犠牲者の輪が拡がっていく・・・

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隊員たちも事態を呑み込みケイトは隊員に歯の治療痕があるか否かで物体Xを見分けようとするが、

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疑惑のため監禁していたヘリの生き残りが脱出する騒ぎに乗じ、

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物体Xがいっきに攻撃にでる!

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次々と物体Xへ取り込まれていく隊員たち・・・

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ケイトたちは物体XがUFOへ戻り、起動発進するのを阻止できるか・・・

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UFOへ同行したカーター(ジョエル・エドガートン)と再びおち合うが

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様相の変化に気づく
彼の左耳にあったはずのイヤリングが・・・

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そしてケイト自身も気付かぬうちに物体と同化してしまったんじゃないか・・・?と懸念を残す。

雪上車の運転操作を知らないはずのケイトが難なくワイパーのスイッチを入れ、そんな自分にハッと気付いた?(のかどうかは定かでないが)

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ラストはオープニングでも少し顔を覗かせたモリコーネのあのテーマが再び流れ、カーペンター版のオープニングにつながるシーンで終わります。

物体Xのテーマ(エンニオ・モリコーネ)

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前作につなげるためにあまり大きくスタイルを崩せなかったことが裏目となって展開自体もカーペンター版そっくりなのが残念ですが見せどころも多く、

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メアリー・エリザベス・ウィンステッド他女性が加わったことで前作との違いをアピールしていて

物体Xの生物的なグロテスクさのビジュアル表現がCG時代にリメイクされた意義の一つになっているようにも思います。

Making

もちろん、従来の造形技術は作品の完成度を左右する。
これに部分的なCG補正が加わる

コンセプト&クリーチャーデザインイラスト
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グリッグス

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ジュリエット

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Ufo 

予告編

もしかしたら更なる続編が期待できるかも?

2010年6月18日 (金)

28週後・・・

「28週後・・・」28 Weeks Later...
2007年/イギリス・スペイン合作映画

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監督:フアン・カルロス・フレスナディージョ
音楽:ジョン・マーフィ

出演:ロバート・カーライル    (ドン)
   ローズ・バーン       (スカーレット)
   ジェレミー・レナー     (ドイル)
   イモーゲン・プーツ     (タミー)
   マッキントッシュ・マグルトン(アンディ)
   ハロルド・ペリー      (フリン)
   キャサリン・マコーマック  (アリス)
   イドリス・エルバ      (ストーン大佐)
   アマンダ・ウォーカー    (サリー)


ダニー・ボイル監督の大ヒット作「28日後...」の続編で、今回はスペインの新鋭フアン・カルロス・フレスナディージョ(「10億分の1の男」)が監督。
出演は「007-ワールド・イズ・ノット・イナフ」のロバート・カーライル、「ノウイング」のローズ・バーン他。

感染すると即座に凶暴となり他の人間に襲いかかって新たな感染者をひろげる恐るべき新種ウイルス“RAGE(レイジ)”が猛威をふるったイギリスが舞台。

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感染を免れた数人の人々と田舎のコテージに立てこもって不安な日々を暮らすドン(カーライル)とアリス(マコーマック)夫妻。
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ある日、そこへ突然少年が逃げ込んできたかと思うとそれを追ってきた感染者たちの襲撃によって同居仲間はたちまち感染者となってしまい、
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必死で逃げるドンの尻目に少年をかばって逃げ遅れたアリスも襲われてしまう。

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一方、爆発的なウイルス感染により壊滅的ダメージを負ったイギリス政府に代わり、米軍主導のNATO軍が派遣され、発生から28週後にようやくロンドンで再建が始まった。
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スペインに旅行中で難を逃れたタミー(プーツ)とアンディ(マグルトン)の姉弟も無事帰国し、
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軍の厳重な監視下に置かれている第1街区で父親ドンと再会して家族の同居を始める。
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ドンは母親アリスのいきさつを子供に話すが、
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母を恋しがる姉弟は、母の写真を取り戻すため第1街区を抜け出し
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我が家へと向かう。
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するとそこで姉弟は思いもよらず母親アリスと再会するが、軍隊がおしかけてアリスを拘束。
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軍医スカーレット(バーン)はアリスがウイルスに感染しながらも発病していないキャリアだと知りワクチン開発への期待を膨らませるが、
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ドンが拘束されたアリスの部屋に無断侵入しウィルスに感染、
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凶暴となったドンはアリスを殺し、街にくり出して新たなウィルス感染の猛威が始まってしまう。
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軍は非感染者の区別なくこの地区を焼夷弾で焼き尽くす決断を下し、
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タミー姉弟とスカーレットは狙撃兵のドイル(レナー)と合流してなんとかこの危機を回避する。
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ひと休みするタミーだが両親を亡くした現実をかみしめ・・・
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スカーレットとドイルはウィルスワクチン開発の鍵となり得る亡きアリスの血をひいた姉弟を命に代えても護りぬく決意をする。
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ドイルはしぶとく生き残る感染者たちから姉弟を援護するが皮肉にも地区の生存者を抹殺しとうとする軍隊によって命をおとす。
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スカーレットもドイルの親友がヘリで待つ場所へ姉弟を誘導するが生き残った感染者の手にかかり絶命、
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しかもその感染者はあのドンだった!
タミーは父親であるドンに戸惑いながらもとどめを刺すが、弟のアンディがウィルスに感染してしまう。
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幸い、予想通りアンディに症状は出ず二人きりになった姉弟は待ち合わせ場所へ到着・・・
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そこには約束どおりヘリが待っていたが
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はたしてタミーたち(人類)に未来はあるんだろうか・・・

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予告編


メイン・テーマ
前作に引き続き音楽はジョン・マーフィが当たっているが同様に絶望的な未来の地獄絵を走馬灯のように回想させる。


『走るゾンビ映画』ということでも話題になった前作だが『ゾンビ』の定義に矛盾するばかりか感染して発症するまでの間の早さがうそくさいく、その象徴するものは同じかもしれないが個人的には『ゾンビ』とは別物として見た。
実際に世界の終焉がやって来たとしてもせめて人類を滅ぼす原因が人間自身でないことを願いたい。

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私にはタミーを演じたイモーゲン・プーツのこの表情が無言のうちに何かを訴えているようで印象に残る映画でした。

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※更新:2010年9月15日

2010年5月19日 (水)

ピッチブラック

「ピッチブラック」Pitch Black
2000年/アメリカ映画

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監督:デヴィッド・トゥーヒー
音楽:グレアム・レヴェル

キャスト
ラダ・ミッチェル       (キャロライン・フライ)
ヴィン・ディーゼル     (リディック)
コール・ハウザー      (ジョンズ)
キース・デヴィッド     (イマム)
クラウディア・ブラック   (シャザ)
リアンナ・グリフィス    (ジャッキー)
ルイス・フィッツジェラルド (パリス)
ジョン・ムーア        (ジーク)
サイモン・バーク      (オーウェンズ)

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コールドスリープ航行中の宇宙客船が流星群に遭遇し、機体損傷のため未知の惑星に不時着する。

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船長は死亡、生存者(ミッチェル/ハウザー/キース他)たちのサバイバルが始まるのだが

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中には搬送中の凶悪な囚人リディック(ディーゼル)も・・・

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そして時期悪く惑星は22年に一度太陽光が遮断される皆既日食をむかえ、辺りは完全な闇の世界になる。

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しかもその惑星はこの闇の時期に活動する肉食モンスター群が支配していた。

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「エイリアン」に代表されるSFサバイバルの定番スタイルでストーリーはありきたりだが惑星の世界観を楽しむだけでも満足できるほどそのビジュアルはアート感覚に富んでいてなかなか面白い。

ヴィン・ディーゼルは凶悪犯とは言え生存者たちをモンスターたちから守り、脱出へ導くのだが最初から悪人には見えず、灰汁がないのでインパクトが足りない気がする。
後にこのリディックを主人公に「スター・ウォーズ」レベルの大スケールで続編「リディック」も作られたが、

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個人的には「ピッチブラック」の方がはるかにいいと思うのはもう一人の主人公ラダ・ミッチェルの存在に依る点が大きい。

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誰よりも自分の命が惜しいのは当然だが次第に仲間を救うためリーダーとして捨て身の行動をとるようになるミッチェルの心境の微妙な変化に「エイリアン」のギスギスしたシガニー・ウィーバーとはちょっと違う女性らしいいじらしさが感じられるせい?

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この映画でミッチェルのファンになった一人だが「サイレントヒル」「フォーンブース」「サロゲート」「クレイジーズ」(リメイク)と今やメジャーな大作の常連になった彼女を見ると同じように惹かれるファンもたくさんいる証しと言えるのかもしれない。


劇場用予告編